GP京都その2 (直前編)
2007年3月19日 GP京都直前編は短め。
・100人組み手
GP京都はスタンダード。つまり所謂トッププロたちはほとんど練習をする時間が無いレギュレーション。
ということは普段から慣れ親しんでいる僕たちが勝つには最も良いチャンスだと思い、GP京都に向けて「サイドボードも入れた実戦を100戦以上する」ことを目標に練習を始めた。
普段練習をすると割とサイドボードはおろそかにされるが、世界チャンプの三原さんはいつもサイドボードまで入れた練習を欠かさないという。なかなか普段はサイドボードまで入れるのは億劫だったりするので、MOはその練習をする場に最も適していた。
その結果が当日記の「構築メモ」である。
様々な調整を経て70勝30敗。3Byeで勝率7割ということは、およそGPは3敗〜4敗くらいというレベル。調子がよければトップ8も狙えるか、ということで結果としては満足していた。
というか、調整を経るごとに成績は良くなっていったので、かなり自信はついた。この練習がなければGP京都で結果を残すことは出来なかったと思う。
ちなみにこの方法はPT横浜でも使おうと思っている。
・誰かセル使ってよ
僕のまわりでは「セルはいける」という空気ではあったが、「セルはめんどくさい。もっと簡単に勝てるデッキがいい」という声もかなりあった。とりあえずまつまさ先生は使ってくれることが決まっていたのだが、結局僕のデッキとほとんど同じ構成で出たのは彼だけだった。
・完全体へ
調整を経て、とりあえず「完全体」にしたセルがこれである。
セル完全体
4《ウルザの鉱山/Urza’s Mine(CHR)》
4《ウルザの塔/Urza’s Tower(CHR)》
4《ウルザの魔力炉/Urza’s Power Plant(CHR)》
4《繁殖池/Breeding Pool(DIS)》
4《ヤヴィマヤの沿岸/Yavimaya Coast(9ED)》
1《島/Island(TSP)》
1《森/Forest(TSP)》
1《シミックの成長室/Simic Growth Chamber(DIS)》
4《シミックの印鑑/Simic Signet(DIS)》
4《根の壁/Wall of Roots(TSB)》
3《セロン教の隠遁者/Thelonite Hermit(TSP)》
2《ヴェズーヴァの多相の戦士/Vesuvan Shapeshifter(TSP)》
1《塩水の精霊/Brine Elemental(TSP)》
1《意志を曲げる者/Willbender(TSB)》
1《神秘の蛇/Mystic Snake(TSB)》
1《絹鎖の蜘蛛/Silklash Spider(ONS)》
1《デッドウッドのツリーフォーク/Deadwood Treefolk(PLC)》
2《調和/Harmonize(PLC)》
4《強迫的な研究/Compulsive Research(RAV)》
2《マナ漏出/Mana Leak(STH)》
4《差し戻し/Remand(RAV)》
3《召喚の調べ/Chord of Calling(RAV)》
4《撤廃/Repeal(GPT)》
SB
4《鋸刃の矢/Serrated Arrows(TSB)》
4《スパイクの飼育係/Spike Feeder(TSB)》
1《意志を曲げる者/Willbender(TSB)》
1《ザルファーの魔道士、テフェリー/Teferi, Mage of Zhalfir(TSP)》
1《詩神の器/Muse Vessel(DIS)》
2《巻き直し/Rewind(USG)》
2《併合/Annex(ONS)》
《スパイクの飼育係/Spike Feeder(TSB)》論
もう何度聞いたかわからない「スパイクとか緑緑出ないし出ても1点くらいくらいそうだから《ボトルのノーム/Bottle Gnomes(9ED)》積めよ」という質問。
ここだけは自信を持って言うが、セルのサイドボードに《ボトルのノーム/Bottle Gnomes(9ED)》を積むのは有り得ない。
根拠は色々だが、とりあえず場に出ることが確定するなら4点ゲインのスパイクに軍配が上がる。ダメランから1点喰らうとしても、スパイクはパワー2を持っており、《鋸刃の矢/Serrated Arrows(TSB)》で場をコントロールすることが前提の、対ビートダウンのサイドボード後では殴れるということは意外に重要である。カウンターを移す能力はトロンが揃ったときのマナバーンを防いだりという使い方が主だが決して無駄ではない。
唯一《ボトルのノーム/Bottle Gnomes(9ED)》が勝っている点は《密林の猿人/Kird Ape(9ED)》を止められるということだが、同時に《ブリキ通りの悪党/Tin Street Hooligan(GPT)》の的にもなること、《クローサの掌握/Krosan Grip(TSP)》撃たれたら目も当てられないことなどを考慮すれば《スパイクの飼育係/Spike Feeder(TSB)》が勝っている。
ちなみにセルのマナソースを数えると青マナより緑マナのほうが多く入っている。普通のトロンのマナの感覚とは違うのである。
サイドにテフェリー、巻き直し
青黒コンが多いMOではテフェリーがメインに必要だが、MOほど青黒コンが多くないリアル世界ではテフェリーは無くてもなんとかなる。それよりも《神の怒り/Wrath of God(9ED)》《滅び/Damnation(PLC)》に強い《デッドウッドのツリーフォーク/Deadwood Treefolk(PLC)》を優先した。《カルシダーム/Calciderm(PLC)》を止められる点も見逃せない。
《巻き直し/Rewind(USG)》は恐らくセルに投入したのは自分だけだと思う。このカードは元々《計略縛り/Trickbind(TSP)》のスペースだったのだが、《計略縛り/Trickbind(TSP)》があまりにもドラゴンストーム専用すぎるし、どうせドラゴンストームで一番怖いのが《万の眠り/Gigadrowse(GPT)》、ということならトリコやトロンなどにも強い《巻き直し/Rewind(USG)》が良いだろうという結論に至った。
4枚目の《鋸刃の矢/Serrated Arrows(TSB)》
このスペースはもともと対緑単最終兵器、《運命の盗人/Fortune Thief(TSP)》だった。
こいつは《召喚の調べ/Chord of Calling(RAV)》から持ってくる専用のカードで、引いたら涙呑んで変異しろ、という大味なカード。緑単にしか効かないため緑単がいなければ意味が無いのだが、前日トライアルの様子を見る限り果たして緑単はほとんどいなかった。3Byeのラインで当たることはおそらくないだろうと判断し、ここを追加の《併合/Annex(ONS)》か《鋸刃の矢/Serrated Arrows(TSB)》で悩んで《鋸刃の矢/Serrated Arrows(TSB)》を選択した。《併合/Annex(ONS)》にしてもよかったのだが、コントロール相手では抜くものがもうないためそれは見送った。
完全体セルが本当に完全体なら、ブチギレた悟飯でも踏まない限り勝てる。そんなことを言いながらGPが始まった!
⇒その3、本戦日記編へ続く
・100人組み手
GP京都はスタンダード。つまり所謂トッププロたちはほとんど練習をする時間が無いレギュレーション。
ということは普段から慣れ親しんでいる僕たちが勝つには最も良いチャンスだと思い、GP京都に向けて「サイドボードも入れた実戦を100戦以上する」ことを目標に練習を始めた。
普段練習をすると割とサイドボードはおろそかにされるが、世界チャンプの三原さんはいつもサイドボードまで入れた練習を欠かさないという。なかなか普段はサイドボードまで入れるのは億劫だったりするので、MOはその練習をする場に最も適していた。
その結果が当日記の「構築メモ」である。
様々な調整を経て70勝30敗。3Byeで勝率7割ということは、およそGPは3敗〜4敗くらいというレベル。調子がよければトップ8も狙えるか、ということで結果としては満足していた。
というか、調整を経るごとに成績は良くなっていったので、かなり自信はついた。この練習がなければGP京都で結果を残すことは出来なかったと思う。
ちなみにこの方法はPT横浜でも使おうと思っている。
・誰かセル使ってよ
僕のまわりでは「セルはいける」という空気ではあったが、「セルはめんどくさい。もっと簡単に勝てるデッキがいい」という声もかなりあった。とりあえずまつまさ先生は使ってくれることが決まっていたのだが、結局僕のデッキとほとんど同じ構成で出たのは彼だけだった。
・完全体へ
調整を経て、とりあえず「完全体」にしたセルがこれである。
セル完全体
4《ウルザの鉱山/Urza’s Mine(CHR)》
4《ウルザの塔/Urza’s Tower(CHR)》
4《ウルザの魔力炉/Urza’s Power Plant(CHR)》
4《繁殖池/Breeding Pool(DIS)》
4《ヤヴィマヤの沿岸/Yavimaya Coast(9ED)》
1《島/Island(TSP)》
1《森/Forest(TSP)》
1《シミックの成長室/Simic Growth Chamber(DIS)》
4《シミックの印鑑/Simic Signet(DIS)》
4《根の壁/Wall of Roots(TSB)》
3《セロン教の隠遁者/Thelonite Hermit(TSP)》
2《ヴェズーヴァの多相の戦士/Vesuvan Shapeshifter(TSP)》
1《塩水の精霊/Brine Elemental(TSP)》
1《意志を曲げる者/Willbender(TSB)》
1《神秘の蛇/Mystic Snake(TSB)》
1《絹鎖の蜘蛛/Silklash Spider(ONS)》
1《デッドウッドのツリーフォーク/Deadwood Treefolk(PLC)》
2《調和/Harmonize(PLC)》
4《強迫的な研究/Compulsive Research(RAV)》
2《マナ漏出/Mana Leak(STH)》
4《差し戻し/Remand(RAV)》
3《召喚の調べ/Chord of Calling(RAV)》
4《撤廃/Repeal(GPT)》
SB
4《鋸刃の矢/Serrated Arrows(TSB)》
4《スパイクの飼育係/Spike Feeder(TSB)》
1《意志を曲げる者/Willbender(TSB)》
1《ザルファーの魔道士、テフェリー/Teferi, Mage of Zhalfir(TSP)》
1《詩神の器/Muse Vessel(DIS)》
2《巻き直し/Rewind(USG)》
2《併合/Annex(ONS)》
《スパイクの飼育係/Spike Feeder(TSB)》論
もう何度聞いたかわからない「スパイクとか緑緑出ないし出ても1点くらいくらいそうだから《ボトルのノーム/Bottle Gnomes(9ED)》積めよ」という質問。
ここだけは自信を持って言うが、セルのサイドボードに《ボトルのノーム/Bottle Gnomes(9ED)》を積むのは有り得ない。
根拠は色々だが、とりあえず場に出ることが確定するなら4点ゲインのスパイクに軍配が上がる。ダメランから1点喰らうとしても、スパイクはパワー2を持っており、《鋸刃の矢/Serrated Arrows(TSB)》で場をコントロールすることが前提の、対ビートダウンのサイドボード後では殴れるということは意外に重要である。カウンターを移す能力はトロンが揃ったときのマナバーンを防いだりという使い方が主だが決して無駄ではない。
唯一《ボトルのノーム/Bottle Gnomes(9ED)》が勝っている点は《密林の猿人/Kird Ape(9ED)》を止められるということだが、同時に《ブリキ通りの悪党/Tin Street Hooligan(GPT)》の的にもなること、《クローサの掌握/Krosan Grip(TSP)》撃たれたら目も当てられないことなどを考慮すれば《スパイクの飼育係/Spike Feeder(TSB)》が勝っている。
ちなみにセルのマナソースを数えると青マナより緑マナのほうが多く入っている。普通のトロンのマナの感覚とは違うのである。
サイドにテフェリー、巻き直し
青黒コンが多いMOではテフェリーがメインに必要だが、MOほど青黒コンが多くないリアル世界ではテフェリーは無くてもなんとかなる。それよりも《神の怒り/Wrath of God(9ED)》《滅び/Damnation(PLC)》に強い《デッドウッドのツリーフォーク/Deadwood Treefolk(PLC)》を優先した。《カルシダーム/Calciderm(PLC)》を止められる点も見逃せない。
《巻き直し/Rewind(USG)》は恐らくセルに投入したのは自分だけだと思う。このカードは元々《計略縛り/Trickbind(TSP)》のスペースだったのだが、《計略縛り/Trickbind(TSP)》があまりにもドラゴンストーム専用すぎるし、どうせドラゴンストームで一番怖いのが《万の眠り/Gigadrowse(GPT)》、ということならトリコやトロンなどにも強い《巻き直し/Rewind(USG)》が良いだろうという結論に至った。
4枚目の《鋸刃の矢/Serrated Arrows(TSB)》
このスペースはもともと対緑単最終兵器、《運命の盗人/Fortune Thief(TSP)》だった。
こいつは《召喚の調べ/Chord of Calling(RAV)》から持ってくる専用のカードで、引いたら涙呑んで変異しろ、という大味なカード。緑単にしか効かないため緑単がいなければ意味が無いのだが、前日トライアルの様子を見る限り果たして緑単はほとんどいなかった。3Byeのラインで当たることはおそらくないだろうと判断し、ここを追加の《併合/Annex(ONS)》か《鋸刃の矢/Serrated Arrows(TSB)》で悩んで《鋸刃の矢/Serrated Arrows(TSB)》を選択した。《併合/Annex(ONS)》にしてもよかったのだが、コントロール相手では抜くものがもうないためそれは見送った。
完全体セルが本当に完全体なら、ブチギレた悟飯でも踏まない限り勝てる。そんなことを言いながらGPが始まった!
⇒その3、本戦日記編へ続く
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