マジック: 煽りに対する考察 継
2008年7月8日コメント (16)azabuが書く気が起きなくなってしまったらしく、おいらが引き継いでいいかい?と聞いたら是非とのことだったので書こうかと思います。
ただし、内容が内容だけにかなーり危険なのでそこまでディープな部分には踏み込まないかもしれません。ご了承。
azabuの元記事はこちら
http://diarynote.jp/user/44541/
以下本文
azablogにも示されているように、昨今のマジック界はいわゆる「アオリスト」で溢れている。誰が一番凄いアオリを行ったかを決めようという「AOY(アオリストオブジイヤー)」という企画まである。しかし、その実態を詳しく知るものは少ない。今回はまずその実態をしっかりと把握してもらいたいとおもう。
まず、このアオリストは2つに分類できると考える。
1.天然系アオリスト
本人は「煽っている:対戦相手の不快感を起こしている」ということを全く意識していない。むしろ楽しいコミュニケーションをしているつもりである。勿論彼らに悪意はないのだが、煽りは煽りなので喰らった方は大変である。相手に悪意がないだけに。そして
誰もがこの天然系アオリストになってしまう危険性がある。むろん筆者も含める。
2.故意系アオリスト
こちらは故意で相手を煽ることにより、その場を盛り上げようとしたり時にはプレイミスを誘発しようとしたりするものである。が、こちらは自分で煽っているという意識があるだけに大きな問題にはなりえない。言ってしまえばただ単純に面倒くさいだけである。
今回は1のタイプのアオリストの傾向、そしてその対策を考えたいと思う。
☆アオリのタイプ
イ. マイナス思考型アオリ
客観的に見ると優勢なのに、本人は自覚してないで発言をするタイプ。劣勢である対戦相手を刺激する。
例:(フルアタックすれば勝てる場で)「きちー」
(ビジョン苦花と回ったが土地が3枚で止まって)「事故ったー」
ロ. ハイテンションアオリ
つねにテンションが高く、冷静にプレイしたい対戦相手の障害となるタイプ。
例:「ブルーコマンドォォォ!!」
ハ. ラッキー系アオリ
トップデッキ、ぶんまわり、相手の事故などをしたときにその強さをアピールするタイプ。
例:「俺引きつぇー!! 」「アハハ、事故っちゃいましたねーw」
ニ. 自己アピール系アオリ
自分のシークレットテク、デッキの長所などが露になったときにそれを過度にアピールするアオリ。
例:(突然飛んできた予想外のスペルを見せて)「これは予想できなかったでしょう」
ホ. 独り言系アオリ
相手に聞こえないように言ってたはずの独り言の毒舌が、聞こえてしまったアオリ。
例:「さすがにマリガンミスだろ」
ヘ. 勝ちgg
MOでかつて大流行したアオリ。今も時々見かける。
自分が勝利した後に「gg」と放つことで、対戦相手の「全然いいゲームじゃねーよバカヤロー」という感情を呼び起こす行為。
ト. とどめの一撃
現在ダントツトップのAOY。
さんざん煽りに煽って勝利し、ものすごい不機嫌になった対戦相手に「ボクに負けたのがそんなに悔しいんですか」
勝ちggの進化系といってもいいかもしれない。当人はたまったものではないだろう。お察しします。
さて、軽く紹介しただけでもこれだけのバリエーションがある。注意してほしいのは、これらのアオリにいちいちかまっていると必ずプレイングミスをしてしまう。彼らは故意ではないが、感情を逆撫ですることによって対戦相手のミスを呼び込んでいるのだ。
☆対策
こうしたアオリストが苦手な人のために、以下に対策方法を示そう。
1.アオリを楽しむ
この記事を読んでいれば、「うーわ、この人アオリストじゃん!どんなアオリしてくるかなーw」という感情の余裕を持つことが可能だ。そうなってくるとアオリがむしろ楽しくなってプラスに働く。しかし余裕がないこともあるので万人向けの対策ではない。
2.ゲームに集中する
基本的に筆者がとっている対策方法がこれだ。とにかく対戦相手を見てはならない。盤面だけ見る。普通のコミュニケーションであれば相手の目を見て話さないのは失礼極まりないが、マジックのゲームの最中であれば盤面だけ見るのは決しておかしなことではない。
盤面に集中していれば、例え煽られてもある程度その影響はプリベントできる。相手にされていないことがわかれば、アオリストも自然と盤面に集中するようになる。
注意してほしいのは「アタック宣言」や「それにスタックして」など、ゲームに必要なコミュニケーションは欠かさずに取るということだ。これをしないと様々なエラーが起こり面倒なことになる。
ゲームに集中することは、全く喋らないことではない。
3.ジャッジを呼ぶ
どうしても我慢がならないときは最終手段しかない。ジャッジを呼んでしまうのだ。結構これを知らない人は多いが、アオリが過ぎれば当然それは『非紳士的行為:Unsportsmanship Acts』にあたる。対戦相手の言動が癪にさわってゲームに障害があるのであれば当然ジャッジを呼んでそれを正す権利があなたにはある。泣き寝入りする前に、ジャッジ。勿論ジャッジの方も人間なので、呼ばれすぎると大変であるから、あくまでこれは最終手段として残しておきたい。
4.煽りに慣れる
渋谷のザ・フォーラムという店では故意過失問わず常に煽り合いが
行われている。初心者にはおすすめできないが、煽りへの耐性はつく。
何にせよ注意して欲しいのは、アオリに腹を立てて暴力的な行為に及ぶと(例:椅子を蹴飛ばしたり)あなたが逆にDQになる危険性がある。こんなにくだらない話はないので、気をつけてもらいたい。
ちなみに万が一対戦相手に暴力をふるってしまうと、一生トーナメントマジックをプレイできなくなる。日本では例が少ないが海外ではよくあるらしい。
☆自分がアオリストになってしまわないための方法。
上に示したアオリは無自覚なため、誰もがアオリストになってしまう危険性があると書いた。(当然程度の差はあるが)きっと皆さんは自分はこうしたアオリストにはなりたくないと思っていらっしゃるだろう。筆者も、思い返してみれば様々なやり方で対戦相手を煽っていたのではないかと反省すべき点が多々あるように思われる。
そこで、どうすれば自分がアオリストになってしまわないのかを考えたい。
1.盤面に集中する
そして、その答えはやはりこれなのである。とにかく無駄な言動は控えること。集中していれば自然と無駄口は叩かなくなるだろう。無愛想かもしれないが、対戦相手が身内でなければむしろ口数が少ない方が自然だろう。
2.故意アオリに走る
対戦相手が身内であれば可能。あらかじめこの対戦では「互いに煽り合う」という前提をつけ、とにかく煽りまくる。すると、自覚ありなしに関わらず全てのアオリがタイプ2の「故意アオリ」となり、ただ互いにウザいだけでほとんど何も気にすることがなくなるのだ。しかしこの方法は非常に難しかった(試したw)ので、あまりおすすめできない。
3.煽られることを経験する
場数を踏んで、煽られて不快な思いをするという経験をすると、不思議と人間はそれを意識するようになる。やはり実際に煽られてみないと分からないものはあるものだ。煽りを経験することで自分の言動にブレーキがかけられるのである。
「マジックは楽しくあるべきだ」とはLMC主催のみやけん氏の発言である。マジックを楽しむためにも、その障害となるアオリストの対策はしっかりつけておきたい。そして忘れてはならないのは、決してこれは他人事ではなく、自分も注意しなければならないということなのである。コミュニケーションとはそういうことだ。
ただし、内容が内容だけにかなーり危険なのでそこまでディープな部分には踏み込まないかもしれません。ご了承。
azabuの元記事はこちら
http://diarynote.jp/user/44541/
以下本文
azablogにも示されているように、昨今のマジック界はいわゆる「アオリスト」で溢れている。誰が一番凄いアオリを行ったかを決めようという「AOY(アオリストオブジイヤー)」という企画まである。しかし、その実態を詳しく知るものは少ない。今回はまずその実態をしっかりと把握してもらいたいとおもう。
まず、このアオリストは2つに分類できると考える。
1.天然系アオリスト
本人は「煽っている:対戦相手の不快感を起こしている」ということを全く意識していない。むしろ楽しいコミュニケーションをしているつもりである。勿論彼らに悪意はないのだが、煽りは煽りなので喰らった方は大変である。相手に悪意がないだけに。そして
誰もがこの天然系アオリストになってしまう危険性がある。むろん筆者も含める。
2.故意系アオリスト
こちらは故意で相手を煽ることにより、その場を盛り上げようとしたり時にはプレイミスを誘発しようとしたりするものである。が、こちらは自分で煽っているという意識があるだけに大きな問題にはなりえない。言ってしまえばただ単純に面倒くさいだけである。
今回は1のタイプのアオリストの傾向、そしてその対策を考えたいと思う。
☆アオリのタイプ
イ. マイナス思考型アオリ
客観的に見ると優勢なのに、本人は自覚してないで発言をするタイプ。劣勢である対戦相手を刺激する。
例:(フルアタックすれば勝てる場で)「きちー」
(ビジョン苦花と回ったが土地が3枚で止まって)「事故ったー」
ロ. ハイテンションアオリ
つねにテンションが高く、冷静にプレイしたい対戦相手の障害となるタイプ。
例:「ブルーコマンドォォォ!!」
ハ. ラッキー系アオリ
トップデッキ、ぶんまわり、相手の事故などをしたときにその強さをアピールするタイプ。
例:「俺引きつぇー!! 」「アハハ、事故っちゃいましたねーw」
ニ. 自己アピール系アオリ
自分のシークレットテク、デッキの長所などが露になったときにそれを過度にアピールするアオリ。
例:(突然飛んできた予想外のスペルを見せて)「これは予想できなかったでしょう」
ホ. 独り言系アオリ
相手に聞こえないように言ってたはずの独り言の毒舌が、聞こえてしまったアオリ。
例:「さすがにマリガンミスだろ」
ヘ. 勝ちgg
MOでかつて大流行したアオリ。今も時々見かける。
自分が勝利した後に「gg」と放つことで、対戦相手の「全然いいゲームじゃねーよバカヤロー」という感情を呼び起こす行為。
ト. とどめの一撃
現在ダントツトップのAOY。
さんざん煽りに煽って勝利し、ものすごい不機嫌になった対戦相手に「ボクに負けたのがそんなに悔しいんですか」
勝ちggの進化系といってもいいかもしれない。当人はたまったものではないだろう。お察しします。
さて、軽く紹介しただけでもこれだけのバリエーションがある。注意してほしいのは、これらのアオリにいちいちかまっていると必ずプレイングミスをしてしまう。彼らは故意ではないが、感情を逆撫ですることによって対戦相手のミスを呼び込んでいるのだ。
☆対策
こうしたアオリストが苦手な人のために、以下に対策方法を示そう。
1.アオリを楽しむ
この記事を読んでいれば、「うーわ、この人アオリストじゃん!どんなアオリしてくるかなーw」という感情の余裕を持つことが可能だ。そうなってくるとアオリがむしろ楽しくなってプラスに働く。しかし余裕がないこともあるので万人向けの対策ではない。
2.ゲームに集中する
基本的に筆者がとっている対策方法がこれだ。とにかく対戦相手を見てはならない。盤面だけ見る。普通のコミュニケーションであれば相手の目を見て話さないのは失礼極まりないが、マジックのゲームの最中であれば盤面だけ見るのは決しておかしなことではない。
盤面に集中していれば、例え煽られてもある程度その影響はプリベントできる。相手にされていないことがわかれば、アオリストも自然と盤面に集中するようになる。
注意してほしいのは「アタック宣言」や「それにスタックして」など、ゲームに必要なコミュニケーションは欠かさずに取るということだ。これをしないと様々なエラーが起こり面倒なことになる。
ゲームに集中することは、全く喋らないことではない。
3.ジャッジを呼ぶ
どうしても我慢がならないときは最終手段しかない。ジャッジを呼んでしまうのだ。結構これを知らない人は多いが、アオリが過ぎれば当然それは『非紳士的行為:Unsportsmanship Acts』にあたる。対戦相手の言動が癪にさわってゲームに障害があるのであれば当然ジャッジを呼んでそれを正す権利があなたにはある。泣き寝入りする前に、ジャッジ。勿論ジャッジの方も人間なので、呼ばれすぎると大変であるから、あくまでこれは最終手段として残しておきたい。
4.煽りに慣れる
渋谷のザ・フォーラムという店では故意過失問わず常に煽り合いが
行われている。初心者にはおすすめできないが、煽りへの耐性はつく。
何にせよ注意して欲しいのは、アオリに腹を立てて暴力的な行為に及ぶと(例:椅子を蹴飛ばしたり)あなたが逆にDQになる危険性がある。こんなにくだらない話はないので、気をつけてもらいたい。
ちなみに万が一対戦相手に暴力をふるってしまうと、一生トーナメントマジックをプレイできなくなる。日本では例が少ないが海外ではよくあるらしい。
☆自分がアオリストになってしまわないための方法。
上に示したアオリは無自覚なため、誰もがアオリストになってしまう危険性があると書いた。(当然程度の差はあるが)きっと皆さんは自分はこうしたアオリストにはなりたくないと思っていらっしゃるだろう。筆者も、思い返してみれば様々なやり方で対戦相手を煽っていたのではないかと反省すべき点が多々あるように思われる。
そこで、どうすれば自分がアオリストになってしまわないのかを考えたい。
1.盤面に集中する
そして、その答えはやはりこれなのである。とにかく無駄な言動は控えること。集中していれば自然と無駄口は叩かなくなるだろう。無愛想かもしれないが、対戦相手が身内でなければむしろ口数が少ない方が自然だろう。
2.故意アオリに走る
対戦相手が身内であれば可能。あらかじめこの対戦では「互いに煽り合う」という前提をつけ、とにかく煽りまくる。すると、自覚ありなしに関わらず全てのアオリがタイプ2の「故意アオリ」となり、ただ互いにウザいだけでほとんど何も気にすることがなくなるのだ。しかしこの方法は非常に難しかった(試したw)ので、あまりおすすめできない。
3.煽られることを経験する
場数を踏んで、煽られて不快な思いをするという経験をすると、不思議と人間はそれを意識するようになる。やはり実際に煽られてみないと分からないものはあるものだ。煽りを経験することで自分の言動にブレーキがかけられるのである。
「マジックは楽しくあるべきだ」とはLMC主催のみやけん氏の発言である。マジックを楽しむためにも、その障害となるアオリストの対策はしっかりつけておきたい。そして忘れてはならないのは、決してこれは他人事ではなく、自分も注意しなければならないということなのである。コミュニケーションとはそういうことだ。
コメント
少なくとも私はマジックをプレーする人全てが淡々とプレーしては欲しくありません。アオリストの中にも人気がある人は多数いるからです。
有名なプレイヤーで言えば、ズヴィモーショウィッツ。彼はキシシシという独自の音を発することで有名なアオリ系プレイヤーですし、オリヴィエルーエルもハイテンション系のアオリストといえるでしょう。
私が問題だと捕らえているのは、日本におけるアオリストの多くが、アオリストな点ではなく、それ以外でのコミュニケーションが取りづらいところだと思っています。アオリストの中にも素晴らしい人はたくさんいますし、私はシミチンさんに関してもそのように解釈しております。
あと
>何にせよ注意して欲しいのは、アオリに腹を立てて暴力的な行為に及ぶと(以下略)
シミチンさんはともかく普通の人は及びません。
私は楽しくマジックがしたいので出来るだけ対戦相手の方とコミュニケーションをとりたいと思うのですが真剣にやっている方にはそれが迷惑になっていることもあるかもしれません。
今後は自分に煽る意図がなくても相手の方が不快に感じればそれは煽りなんだということを自覚してゲームに臨みたいと思います。
最後にとてもためになる記事をありがとうございます。
煽りについて記事を書いたと聞いてはるばる飛んできました!
確かに海外にはなんというか問題なくテンション高めている人は多いよね。国民性の違いなんじゃないかとか思うけども。
決して全ての場面で無愛想になれ、とかそういうことを意図してるわけではないです。むしろ試合後とかは積極的な感想戦をすべきだし。その意味ではれい君の指摘したことは正しいよね。ゲームに集中するということは、煽りの対策の1つとして挙げられるということで絶対ではないし。
補足した注意点も、あくまで補足であってする人がいないなら問題はありません。
>ちむちむさん
不快になるかならないかが人によって違うところが難しいところです。やはり自分は、誰にでも同じ態度を取るのではなく少しずつ話をしながら様子を見ていくのが一番良いのではないかと思います。
>c⌒っ *・∀・)φさん、低学歴はry)さん
本文中で言及している通り、自分に言動の軽率さがあることは自覚しています。「お前のことだろ」と突っ込まれるのも当然です。申し訳ありません。今後は出来るだけ、そうした言動が無いように慎んでいきたいものです。そのためにこの記事を書いたと言ってもいいでしょう。ただ、身内の間で最近よく故意のアオリ合いが発生しているので、それを傍目から見ると反省が無いように写ってしまうかもしれませんが、それは誤解であるということも付け加えておきます。
>azabu
で、これは煽りなんですか?w
すばらしい記事をありがとうございます(*´ω`*)
マジックを楽しむ人が、もっとマジックを楽しめる世の中になるといいねえ(*´∀`)
自分は当てはまりまくってると思うので。
今後気をつけたいと思います。
気付かせてくれて、ありがとうございます。
程度にもよりますが、許す心も大事なものだと思います。
>みやけんさん
売名行為w
至上の目的のためにジャッジとしても頑張ってください。
>トクナガ
そう考えているなら大丈夫かと。
こーいうことは皆お互い様だと思う。
っていうか、あんた何書いてもおっけーなのがすごいなww
天然系に自分も含めるって書いてることについて。
自分は天然だから、気を付けますけど勘弁してください、
っていう風に取れるんですが。
自分の行動を顧みた振りをして、反省はしていないわけね。
「多々あるように思われる」じゃなくて、そればっかでしょ。
少なくとも俺の知る限りのMO仲間では大体勝ちgg(特に自分が事故ったりぶんまわられたりしたとき)は相当頭にくるというのが圧倒的な多数派だったよ。
>名無しさんA
自分が書く場合はユーモアを利かせるべき内容ではないと思ったので。自分のことを棚に上げることになりますから。
>Namelessさん
例の撤廃トップ炎の儀式のときかなと思って調べてみましたが違いました。自分では発見できなかったです。
>名無しさんB
仰る通りです。気をつけますが、人間ですから間違います。そのときは謝罪します。
少なくとも私自身が身内以外の人間を「煽る」とすればそれは断じて故意ではないということです。間違いは起こらないように謹んでいきたいということ、そしてかつて犯した間違いについて反省しているということは前述のコメントの通りです。