連載シリーズ: 僕と関東マジック その1 黎明期編
2010年4月29日 TCG全般 コメント (8)「《甲鱗のワーム/Scaled Wurm》!」
俺は仲の良かった幼馴染と一緒にマジックを始めていた。
彼の名はマコト(仮名)。同じ中学に入学し、家も近かったのでマジックをする相方としては格好だったのだ。彼の家で、《甲鱗のワーム/Scaled Wurm》をプレイし、どや顔で攻撃し、チャンプブロックされ、そして何故かゲームに負ける俺。
あれは俺が中2の頃。心も体も中2の頃。
俺が初めて手にとったデッキは《悲哀の化身/Avatar of Woe》の入った構築済みだった。これまた中学の友人のスリヴァーおたく(これがHNw)という男に買ってきてもらったのだ。2500円で。しかも英語版。だってこれが強いって言うんだもん。
見ると、中2の英語力では理解できないテキストが。
Avatar of Woe cannot be blocked except by black creatures or artifact creatures.
そもそも受動態も知らないし、exceptも知らない。だが、いきなり投げ出すのも嫌だったのでなんとかして解読した。その結果、いつの間にか英語を読むのが好きになっていた。マジックとは恐ろしいカードゲームである。
中学ではマジックをはじめとしたカードゲームをプレイすることは禁じられていたので、隠れてプレイした。そして幾度と無く俺と、マコト、スリヴァーおたくのカードたちは没収された。だが機転を利かせてズボン内部にカードを隠したりすることで危機を回避するなんてこともあった。
そんな日々、出会ったのが横浜にあるトライソフト、そして東白楽ティムである。
社会科見学で横浜に行った帰り、マジックを通じて知り合った同じ中学の友人であるRONという男に連れて行ってもらった。そこで彼はインベイジョンのボックスを購入し、剥いていた。中学生なのに。そして《ウルザの激怒/Urza’s Rage》が出ないことを嘆いていた。当時余裕で2kを超えるカードだったのだが、完全にシロートだった俺には何故そんなに高いのかわからなかった。10点入れるなら《猛火/Blaze》のほうが軽いやん。無論、「打ち消されない」の意味を理解してなかったのだ。そんなことより、中学生のくせに1万円くらいする買い物をしていた彼を羨ましく思うのだった。
だがここでトライソフト、東白楽ティムに行ったのは大きな収穫だった。自分の自慢のデッキを持っていき、《甲鱗のワーム/Scaled Wurm》だかなんだか忘れたがとりあえずマナ加速からデカブツをプレイし、《対抗呪文/Counterspell》され、青が強いことを覚えた。《嘘か真か/Fact or Fiction》が半端なく強いことも覚えた。ようやくスタックルールを理解した。
でも主に買ってたブースターはウルザブロックだった。なんとなく古い=強いと思ってた。アホである。
そんなことを続けながら、中2の冬、俺はあるカード屋と運命的な出会いを果たす。
「かあど屋あらいあんす」である。
ここの店の大会は凄かった。参加費500円で、32人、優勝で1BOXが出るのだ。当時中2の俺には諭吉を使う権利は無いと勝手に思っていたので、これで勝てばあのとき羨んだBOXが手に入るのだ!と思った。
その頃にはプレーンシフトが発売されていて、とっくにウルザブロックが落ちた=大会で使えないことを後から知らされ、愕然としながらもとりあえず偶然引いてた《蝕み/Undermine》使うために青黒を作ってた。
忘れもしない。
《ヴォーデイリアのゾンビ/Vodalian Zombie》を《アトランティスの王/Lord of Atlantis》《アンデッドの王/Lord of the Undead》で強化するデッキである。
これで《ブラストダーム/Blastoderm》もコワくないぜ!!!とか言ってた。
後日談だが、《ゾンビの異国者/Zombie Outlander》を見たときは心が震えた。
無論だが、俺の初陣は1-3とかで終わった。何故か1回勝った。
その後、俺は《蝕み/Undermine》を4枚集めることに成功、更に《冥界のスピリット/Nether Spirit》を偶然マスクス剥いて引いたのでネザーゴーを使うことにした。
だが、《水位の上昇/Rising Waters》デッキに負けて折れた。
そして自分も《水位の上昇/Rising Waters》に流れ、《火炎舌のカヴー/Flametongue Kavu》にイワされ続けた。
そんなこんなであっという間にアポカリプスが発売され、俺は1人の男と出会う。
奴は小学生だった。
同じ小学生何人かと「あらいあんす」に遊びに来ていた彼は、明らかに異彩を放っていた。
彼は、《稲妻の天使/Lightning Angel》《予言の稲妻/Prophetic Bolt》を搭載したトリコで瞬く間に上位プレイヤーへ上り詰めていた。
確か《ゴブリンの塹壕/Goblin Trenches》は「嫌いだから」という理由で使っていなかった気がする。
お気づきの方もいるであろう。
その名は、渡辺雄也である。
周りの小学生が消えうせたのにも関わらず、彼は姿を現し続けた。
オデッセイ発売後も彼は元気にマジックをしていた。そして人並に勝っていた。
俺とスリヴァーおたくはそこそこナベと絡みがあったのだが、スリヴァーおたくはナベのことを《熊人間/Werebear》と呼んでいた。懐かしい思い出である。
オデッセイ後、俺は《獣群の呼び声/Call of the Herd》を安いうちにかき集めることに成功して、青緑対立を作った。このデッキはとにかく自分にフィットしていた。なんとなく、イイのである。
お気づきの方もいるであろう。
青緑好きはここから始まっていたのだった
俺は仲の良かった幼馴染と一緒にマジックを始めていた。
彼の名はマコト(仮名)。同じ中学に入学し、家も近かったのでマジックをする相方としては格好だったのだ。彼の家で、《甲鱗のワーム/Scaled Wurm》をプレイし、どや顔で攻撃し、チャンプブロックされ、そして何故かゲームに負ける俺。
あれは俺が中2の頃。心も体も中2の頃。
俺が初めて手にとったデッキは《悲哀の化身/Avatar of Woe》の入った構築済みだった。これまた中学の友人のスリヴァーおたく(これがHNw)という男に買ってきてもらったのだ。2500円で。しかも英語版。だってこれが強いって言うんだもん。
見ると、中2の英語力では理解できないテキストが。
Avatar of Woe cannot be blocked except by black creatures or artifact creatures.
そもそも受動態も知らないし、exceptも知らない。だが、いきなり投げ出すのも嫌だったのでなんとかして解読した。その結果、いつの間にか英語を読むのが好きになっていた。マジックとは恐ろしいカードゲームである。
中学ではマジックをはじめとしたカードゲームをプレイすることは禁じられていたので、隠れてプレイした。そして幾度と無く俺と、マコト、スリヴァーおたくのカードたちは没収された。だが機転を利かせてズボン内部にカードを隠したりすることで危機を回避するなんてこともあった。
そんな日々、出会ったのが横浜にあるトライソフト、そして東白楽ティムである。
社会科見学で横浜に行った帰り、マジックを通じて知り合った同じ中学の友人であるRONという男に連れて行ってもらった。そこで彼はインベイジョンのボックスを購入し、剥いていた。中学生なのに。そして《ウルザの激怒/Urza’s Rage》が出ないことを嘆いていた。当時余裕で2kを超えるカードだったのだが、完全にシロートだった俺には何故そんなに高いのかわからなかった。10点入れるなら《猛火/Blaze》のほうが軽いやん。無論、「打ち消されない」の意味を理解してなかったのだ。そんなことより、中学生のくせに1万円くらいする買い物をしていた彼を羨ましく思うのだった。
だがここでトライソフト、東白楽ティムに行ったのは大きな収穫だった。自分の自慢のデッキを持っていき、《甲鱗のワーム/Scaled Wurm》だかなんだか忘れたがとりあえずマナ加速からデカブツをプレイし、《対抗呪文/Counterspell》され、青が強いことを覚えた。《嘘か真か/Fact or Fiction》が半端なく強いことも覚えた。ようやくスタックルールを理解した。
でも主に買ってたブースターはウルザブロックだった。なんとなく古い=強いと思ってた。アホである。
そんなことを続けながら、中2の冬、俺はあるカード屋と運命的な出会いを果たす。
「かあど屋あらいあんす」である。
ここの店の大会は凄かった。参加費500円で、32人、優勝で1BOXが出るのだ。当時中2の俺には諭吉を使う権利は無いと勝手に思っていたので、これで勝てばあのとき羨んだBOXが手に入るのだ!と思った。
その頃にはプレーンシフトが発売されていて、とっくにウルザブロックが落ちた=大会で使えないことを後から知らされ、愕然としながらもとりあえず偶然引いてた《蝕み/Undermine》使うために青黒を作ってた。
忘れもしない。
《ヴォーデイリアのゾンビ/Vodalian Zombie》を《アトランティスの王/Lord of Atlantis》《アンデッドの王/Lord of the Undead》で強化するデッキである。
これで《ブラストダーム/Blastoderm》もコワくないぜ!!!とか言ってた。
後日談だが、《ゾンビの異国者/Zombie Outlander》を見たときは心が震えた。
無論だが、俺の初陣は1-3とかで終わった。何故か1回勝った。
その後、俺は《蝕み/Undermine》を4枚集めることに成功、更に《冥界のスピリット/Nether Spirit》を偶然マスクス剥いて引いたのでネザーゴーを使うことにした。
だが、《水位の上昇/Rising Waters》デッキに負けて折れた。
そして自分も《水位の上昇/Rising Waters》に流れ、《火炎舌のカヴー/Flametongue Kavu》にイワされ続けた。
そんなこんなであっという間にアポカリプスが発売され、俺は1人の男と出会う。
奴は小学生だった。
同じ小学生何人かと「あらいあんす」に遊びに来ていた彼は、明らかに異彩を放っていた。
彼は、《稲妻の天使/Lightning Angel》《予言の稲妻/Prophetic Bolt》を搭載したトリコで瞬く間に上位プレイヤーへ上り詰めていた。
確か《ゴブリンの塹壕/Goblin Trenches》は「嫌いだから」という理由で使っていなかった気がする。
お気づきの方もいるであろう。
その名は、渡辺雄也である。
周りの小学生が消えうせたのにも関わらず、彼は姿を現し続けた。
オデッセイ発売後も彼は元気にマジックをしていた。そして人並に勝っていた。
俺とスリヴァーおたくはそこそこナベと絡みがあったのだが、スリヴァーおたくはナベのことを《熊人間/Werebear》と呼んでいた。懐かしい思い出である。
オデッセイ後、俺は《獣群の呼び声/Call of the Herd》を安いうちにかき集めることに成功して、青緑対立を作った。このデッキはとにかく自分にフィットしていた。なんとなく、イイのである。
お気づきの方もいるであろう。
青緑好きはここから始まっていたのだった
コメント
デッキ構築劇場、いつも楽しみながら読んでいます。
実は当時高校生で、ちょくちょく遊びに行ってたことあるよ?
行ったことないけどw
ありがとうございます。ほかの3方に負けないよう頑張りますw
>ナベ
懐かしいよね。跡地には何があるんだろw 今はスレッショルド越えて凄いことになってるじゃんあなたw
>タカさん
そういえばタカさんもいたようないなかったような(ぉ
>ファカー
何を言ってるんだw
渡辺雄也登場シーンで鳥肌たった。
渡辺雄也登場シーンで鳥肌たった。
あらいあんすに入り浸ってた当時中学生~高校生です。
ナベさんとシミチンさんもいたんですね。知らんかった。
跡地はタトゥー屋さんが入ってますよ。