出、出ー、勝った時だけ久しぶりに日記更新奴ー

というわけで、お久しぶりですシミチンです。

見事、RPTQを突破し、Pro Tour Kaladesh@ホノルル の切符を手にしました!

ちょうどテーロス以来3年ぶりのPT参戦になります。

今度のPTは、僕にとっては本当に特別なPTで、「どうしても出たい!!」という気持ちがこれまでのPTに比べて何倍もあったPTです。

何故なら、

1.これまで2回のPTホノルルチャンスは2回とも参加できなくて悔しかった
2.育休中で時間が取れる奥さんをどうしてもホノルルに連れていきたかった

そして、
3.ナベの殿堂セレモニーの場に参加したかった

からです。
今回その目標が達成できたことで、今までのPT参加よりも何倍も嬉しく思っています。(正直、トップ8に入賞した時と同じくらいに嬉しい)

そんなこんなで、今回はその「どうしても出たい!!」が達成できたことを一つの成功事例の記録として残しておくために、久しぶりに長めに日記を書くことにしました。

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【時間がない中での工夫】
子育て中のトーナメントマジックというのは、当たり前ですが独身より不利です。土日すべてを調整・練習に充てたり、平日に帰宅後すぐ寝るまでMO、というような生活を独身時代はすることができましたがそれはできません。
しかしそれでもPTに出るためには他の人と同様PPTQを突破し、その先にあるRPTQを突破しなければなりません。

時間が取れない中で最大の成果を出すためには、最大の効率を出さなければなりません。従って、練習に取り組むのはプロツアー異界月の結果が出た後というタイミングに絞りました。
また、使うデッキについても自分が得意なデッキタイプに絞ることを決めていました。すなわちそれは、青緑です。
青緑というのは自分のキャラだから拘って縛っている、というのではなく、緑の強力なクリーチャーを青のカウンター呪文などのスペルでバックアップするという古から続く戦略が自分にとって最もパフォーマンスを出せる組み合わせだと思うからです。
結果として自分が環境最強とも言われるバントカンパニーを選択することにしたのは、きわめて自然な流れでした。
通常、コピーデッキを使うのは自分の信条に反するので、1からデッキを構築することにしたのですが、調整の結果、最終的にプロツアーで勝っていたデッキのレシピに近づいていきました。

プロツアーが終わったあとはMOの構築リーグにひたすら出続ける(1日1回は出ることを目標に)ことを繰り返しました。
ここは工夫も何もないのですが、家事を放棄してMOをしてしまうとすべてが瓦解してしまうので、
7時くらいに帰宅してご飯を食べて食器を洗って子供と一緒に風呂に入って子供を寝かしつけて洗濯して…といったことを妻と協力しつつ全部終わらせて晴れて10時くらいにMOにログイン、という生活になりましたw
場合によっては、そもそも家でMOをすること自体が許されないというケースもあると聞いているので、自分の時間を作らせてくれた家族には改めて感謝です。



【ミラーマッチでの工夫】

ところで、このバントカンパニーというデッキは明らかにデッキパワーが他のデッキに比べて頭一つ抜けているということで、RPTQではものすごい数のミラーマッチが発生することが予想されていました。

通常、今までは自分はこういう時は、何らかの工夫をすることでミラーマッチで優位に立つ工夫をしてきました。過去の成功例では、「徴兵バント」と「キブラーバント」のハイブリッドなどがあります(もう6年前になりますがw)

(Plan:人間カンパニー)
今回も、やはりミラーマッチで優位に立つために、ナベがGP東京の時に使ったバント人間カンパニーのアイデアを借りて、これをEMN仕様にすれば良いのではないかと考えました。

ところが、MOのリーグで最初は調子よく勝つことができていたのですが、途中で勝率が伸び悩んで来るうちに、この考えにいくつか問題があることに気づきました。

・《衰滅》をプレイするデッキがGP東京当時より増えている
・《最後の希望、リリアナ》に《サリアの副官》が殺される
・有利だったはずのミラーマッチが、《呪文捕らえ》に弱い
 (サイズで上回ろうと戦闘前にプレイした《副官》に《捕え》が刺さる)
・黒系のデッキに勝つときはテンポでなく《不屈の追跡者》絡みの消耗戦で勝っている

人間型にするメリットは、ミラーマッチでサイズで優位に立つことで打開ができることと、速度によって遅いデッキに対してテンポ勝ちが可能になることでしたが、EMNの入ったスタンダード環境では《衰滅》というデメリットが増えている一方で、メリット両方が失われていることに気づきました。

こうして僕は泣く泣く人間型を諦め、通常のバントカンパニーを使うことにしました。

(Plan:通常のバントカンパニーでどうするか)
今回、通常のバントカンパニーを選択するにあたってもう1つ気づいたことがありました。
それは、サイドボーディングに関する意見が千差万別であるということです。

それは、概ね「《ドロモカの命令》は抜くべきか?残すべきか?」という問題に集約されます。

多くの攻略記事を読んでいると、命令をアウトし、《石の宣告》や《悲劇的な傲慢》に変えるという意見が目立ちます。

しかし、僕が練習で感じたのは、圧倒的な先手有利なミラーマッチを克服するためには、4ターン目のアクションで《中隊》→《反射魔導士》をヒットさせるか、2マナ生物を展開しながら《ドロモカの命令》でそれを強化しつつ、相手のクリーチャー(《不屈の追跡者》)を1体除去するか、《悲劇的な傲慢》でシャクるかしかないということでした。

この中で《中隊》は運が絡んでしまう以上、あまり頼ることはできません。
《ドロモカの命令》は先手後手を逆転させる数少ない手段であり、一部のプロプレイヤーが攻略記事で解説している通りに抜いてしまうというのは間違いなのではないかと考えるようになりました。
むしろ、同型で活躍の少ない《薄暮の徴募兵》に代わる2マナ域として《ラムホルトの平和主義者》まで追加して、サイドボード後も《ドロモカの命令》を活かすというのが良いと考えました。
従って、目指す方向性としては短期決戦になります。紛れから長期戦に突入しないよう《老いたる深海鬼》(タコ)をサイドボードに1枚用意しつつ、先手用の《実地研究者タミヨウ》も用意して前のめりなサイドボードを目指しました。

なお、この2枚(タコ、タミヨウ)は黒系に対しても非常に強力なサイドボードであり、今はバントカンパニーの必須サイドボードカードではないかと考えています。

(デッキレシピ)
『Road To Honolulu』

4森の代言者/Sylvan Advocate
2ヴリンの神童、ジェイス/Jace, Vryn’s Prodigy
2無私の霊魂/Selfless Spirit
4薄暮見の徴募兵/Duskwatch Recruiter
4反射魔道士/Reflector Mage
4呪文捕らえ/Spell Queller
3不屈の追跡者/Tireless Tracker
2巨森の予見者、ニッサ/Nissa, Vastwood Seer
2大天使アヴァシン/Archangel Avacyn
3ドロモカの命令/Dromoka’s Command
4集合した中隊/Collected Company
1オジュタイの命令/Ojutai’s Command
4進化する未開地/Evolving Wilds
2伐採地の滝/Lumbering Falls
2ヤヴィマヤの沿岸/Yavimaya Coast
3梢の眺望/Canopy Vista
2大草原の川/Prairie Stream
2要塞化した村/Fortified Village
1港町/Port Town
4森/Forest
2島/Island
4平地/Plains
合計61

サイドボード
1ドロモカの命令/Dromoka’s Command
2実地研究者、タミヨウ/Tamiyo, Field Researcher
3否認/Negate
1即時却下/Summary Dismissal
1石の宣告/Declaration in Stone
2悲劇的な傲慢/Tragic Arrogance
1ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar
1老いたる深海鬼/Elder Deep-Fiend
3ラムホルトの平和主義者/Lambholt Pacifist
合計15

デッキの枚数が61枚になったのは、苦渋の策です。
同型や黒系で強い《ニッサ》を2枚とることは絶対条件、同型のメインボードの勝率を左右する《アヴァシン》を2枚とることも絶対。
2マナ域は12枚が必須。3マナ以下の生物は25は必須。すると、必然的に調整できるところが4枚の《命令》枠と土地のみとなります。

同型を考えたとき、他のマッチアップと違い、6枚目のセットランドができるかどうかで大きく勝負を左右します(《代言者》が4/5になるかならないかで世界が変わる)。
これを考慮すると、できれば土地は26枚欲しいところです。結果的に、デッキの枚数を増やすしか、必要な枠を作ることはできないと判断しました。

なお、基本的には同型には以下のようにサイドボードします。

(先手)
IN 2 タミヨウ 1石の宣告 1老いたる深海鬼 3ラムホルト 
OUT 4 薄暮見の徴募兵 1オジュタイの命令 1中隊 1アヴァシン

(後手)
IN 2 悲劇的な傲慢 1石の宣告 1老いたる深海鬼 3ラムホルト
OUT 先手時と同様 

ただし、当然ですがGame2の結果によって《否認》を入れたり入れなかったりします。例えばこちらが先手のGame3で、相手が《悲劇的な傲慢》を採用しているのであれば、《石の宣告》や3枚目の《ドロモカの命令》がサイドアウト候補となり、《否認》を入れることになります。

こうして、僕は『Road to Honolulu』を手に、大阪へ旅立ちました。


…大阪!?

To be continued...

コメント

nophoto
a
2016年8月28日23:17

すごく参考になります
同型はサイド後62枚になるんですか?

シミチン
2016年8月29日0:07

>aさん
すみません、1枚書き漏れていました。修正しました。

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